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乱読乱文多謝 静岡史跡探訪ver.

スーパーカブと、史跡と、ときどき読書感想文

日々の出来事 10

我が子の幼児語辞典

 「言葉とは概念の音声記号である」と、たしかニーチェあたりがどこかで書いていた気がするが、うちの二歳の娘をみていると、なるほど、と思う。概念とは、経験知の抽象化されたものの謂だとするならば、わが娘も二年と数ヶ月を生き、彼女なりに経験を積み、その若々しい頭脳に様々な概念を抱くに至り、いざ、それを言葉という記号をもって、他者に伝えんという様子がありありと見受けられるのだ。

 ただ、言葉はいつでも想いに追いつかない・・・などと何やらどこかの歌謡曲じみたことをいうまでもなく、二歳児の語彙はその概念の爆発的な増加には追いつけないようで、何だか言いたいこと、伝えたいことは沢山あるのだが、それを言葉にできず、もどかしい思いをしているのはもう一見して明らかだ。

 そこで登場するのが、所謂幼児語、というものだ。まだまだ自由に動いてくれない舌でも扱いやすい音、あるいは幼い耳で覚えやすい音で組み上げられた、独特の言語だが、しかし、扱いやすい、とか、覚えやすい、というものはそれこそ人それぞれなので、幼児語というものも、人それぞれ、ということになってしまう。要するに、とても自分勝手な言葉なのだ。

 自分勝手な言葉は、当然、他者には伝わりにくい。それがつまり、幼児語の不完全さ、というか、幼児語の幼児語たる所以ではあるのだが、一方において、とても個性的な言葉だ、ということも確かだ。それが何を意味するのか、聞き手の方で理解してあげれば、この幼児語なるもの、なかなか面白いものだと思われた。そこで、我が子の幼児語を、できる限り採集してみたので、それを、ご紹介しようと思う。まあ、ようするに、一種の親バカ企画である。



 あいり・・・自分のこと。なぜかは不明。もちろん、本当は全く違う名前であり、誰も彼女のこと「あいり」などと呼ぶ者はないし、友達にも「あいりちゃん」はいない。しかし彼女は自分で勝手に自分を「あいり」といい始めた。そして本名で呼んでも、「あいり」と呼んでも、彼女は返事をする。謎だ。まさか、前世の記憶?

 とぅとぅ・・・トトロのこと。

 にゃんにゃん・・・当然、ネコのこと。

 にゃんにゃんとぅとぅ・・・何と、ネコバスのこと。さらに転じて、バス一般。よって、バスのことを「バス」とはいわない。「バス」という方が簡単だと思うのだが。

 びーびー・・・DVDのこと。『となりのトトロ』のDVDがみたいときの用例。「とぅとぅ、びーびー」。ほぼ暗号である。

 うわん・・・ごはん。本人はどうも、ちゃんと「ごはん」といっているつもりらしい。

 ・・・郵便ポスト。あるいは、ポケットのこと。または、尻尾のこと。聞き分けは不可能。状況をみて判断する他はない。

 じゃんじゃん・・・神社。

 おぶう・・・水。もしくは飲み物。

 わんわんにゃんにゃんおぶう・・・犬やネコのシールが貼ってあるコップに入った飲み物のこと。メンドクサイ言葉だ。

 おぷう・・・「くまのプーさん」の布団のこと。上記「おぶう」との聞き分けが困難。

 ぶー・・・虫。

 たいたい・・・魚。

 おーいちーい・・・おいしい。もしくは、ケーキのこと。おいしいもの、の意か。ちなみに発音は、「ち」に極端に強いアクセントがある。

 ぷいーん・・プリン。「ぷ」に強いアクセント。

 もおー・・・牛乳。または、牛の絵が容器に描いてあるヨーグルト。あるいは、ヤクルトを意味する場合も。名詞であることを忘れ、牛の鳴き声のように発音すると、近い。

 ぷーん・・・スプーン。これまた、「ぷ」に強いアクセント。何かの擬音のように聞こえるが、立派な名詞。

 ぴっ・・・フォークのこと。食べ物に「ぴっ」と刺すイメージか。名詞化した擬音、といったところ。

 ばいばい・・・本来の別れの挨拶の他に、拒絶の意味もある。例。「ご飯を食べなさい」、「ばいばいっ(いらないっ)」。

 ぱん・・・パンツ、おむつ。

 ばば・・・バナナ。

 かんかんかん・・・踏切。

 あんぱんっ・・・ダメ、等、禁止を意味する言葉。語源はもちろん、アンパンマン。これについては少々こみ入った歴史がある。確か、一歳になるかならないか、の頃だったと思うが、ようやく言えるようになったはずの「まま」も「ぱぱ」も言わなくなってしまい、ただひたすら、覚えたての「あんぱん」とばかり言うようになってしまった時期があった。こういうこと自体は、どうもよくあることらしいのだが、娘の場合、その「あんぱん」が、怒りや苛立ちといった感情が高まったときなどに、いまだに出てきてしまうのだ。しかし言葉が言葉なだけに、どうもその「怒りの感情」が相手に伝わらないのが、難点ではある。

 ぶぶぶ・・・セブンイレブン。「ブ」の音ばかりが聞こえているのか? ところで、昨年の十一月の末だったか、セブンイレブンで買い物をしたら、レジでスピードくじを引かされ、当たったのが女性用の生理用品(夜用)だった。私は妻帯者であり、そのときも妻と一緒だったからまだいいが・・・もし独身男性がこの当たりくじを引いてしまったらどうするのだろうか。ちょっとカンガエモノではないですかねえ、セブンイレブンさん(笑)。

 んー・・・「アンパンマン」のキャラクターの、「あかちゃんまん」のこと。言いにくいのはわかるが、なぜ最後の「ん」だけを残したのか・・・。

 んー・・・私の兄、即ち、娘にとっての「おじさん」のこと。上の「んー」よりも、語調が強い。当初、仮面ライダー的な、バイクに乗った強いひと、を意味していたが、ある日、私の兄がバイクに乗っている姿を目撃していて以来、「おじさん」を意味する言葉に。バイクのハンドルを握ったような身振りが伴うことが多い。

 おーのー・・・何と、英語の「oh no!」。用法も間違えず、例えば、靴下が上手く履けないとき(いつもだが)や、なにかをこぼしてしまったときなどに、口走る。妻が教え込んだらしいのだが、残念ながら、私がやっと教えた、イタリア語の「ぼーの」はすっかり忘れてしまったらしい。ほっぺに人差し指をあてる動作まで教えたのに。



 勿論、「ちゃんとした言葉」を、やがては話せるようになってくれなければ困るのだが、一方で、こうした「個性的な」幼児語を話さなくなってしまうのも、何だか寂しい思いがする。親の身勝手、といえばそれまでだが。

 ただ、先日夜中に、何やらやわらかいもので、眠っていた私の顔を執拗に打擲するものがあり、何事かと眼を覚ませば、一歳二ヶ月になる下の息子が、手にしたトトロのぬいぐるみを振り回しながら、私の枕元で「とぅとぅ、とぅとぅ」と叫んでいた。やはり子どもというものは、親からよりも、同じ子どもからの影響を強く受けるようで、着実に、我が家の幼児語は次の世代に受け継がれているのようである。

 そしてまた、息子は息子で、姉から受け継いだものに、「自分勝手」なものも付け加えて、独自の幼児語を生み出していくのだろう。これまた、楽しみである。


 おまけ。年末に、オモチャだとかゲームソフトだとかの中古品を扱っているような店で、こんな物をみつけ、購入してしまった。




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 これが、1980円で売られていたのである。しかもこれは中古品ではなく、どうやらパッケージが痛んだために、どこかのオモチャ屋さんの倉庫から流れてきた新品らしい。定価は、というと、何と4725円もする代物だ。さらに運のいいことに、その日の午前中に、妻が、あるブランドの福袋を「フライングゲット」しており(壱萬円也)、「ムダ使いはお互い様」的な雰囲気で、すんなり購入を許されたのだった。やったー!・・・って、勿論、これは息子のために買ったんですよ、あくまでも。

 で、我が家のプラレールは、最初のセットがやってきてから、ひと月もたたない内に、こんなに大掛かりなものになってしまった。



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 レールも、中古品が売っていたもので、つい・・・。しかし、貨物列車をずらずらと沢山連結するのは、子どもの頃からの夢だったのだ。やったー!・・・って、何度もいうが、これは息子のものですよ。

 ただ、私がずっと欲しいと思っている、「165系東海型急行列車」は、また今回も買えなかった。次こそは・・・。ところでしかし、金がないっていうのに夫婦そろってムダ使いなどして、大丈夫なのか我が家の財政は?

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コメント


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経験知というのは、
ハイデガーの『経験の意味』みたいですね。
『人間だけが、観念・概念の世界を有する。人間だけが事物の存在を規定する』みたいな内容をどこかで読みました。

幼児、まさに Zarathustraですね。

読書に関するブログ記事の更新
楽しみにしております。

kappamama | URL | 2012-01-11(Wed)00:01 [編集]


Re:kappamama さん

kappamama さん、こんにちは。

幼児の創造性は、確かに、時折ドキッとさせられるものがありますね。
彼らの手に届くものはとても少ないのですが、その少ない材料から、思いがけない組み合わせで、とんでもないものを生み出してみせてくれます。
そんな様子をみていると、知識とは、ほんとうに知恵を助けてくれるものなのかと、考えてしまいます。
多くを知ることは、実は、自ら考えることの妨げにしかならないのではないかと。
ま、そう単純なものでもないでしょうけれど(笑)

コメント、ありがとうございました。
最近あまり本を読めていないので、読書ブログなのに、読書感想を書いてませんね。スミマセン。

静磨 | URL | 2012-01-11(Wed)01:17 [編集]


記録は大事!

子どもの言葉は、記録しておかないと親でもすぐ忘れてしまいます。
これからも、解説付き記録は大事かと思われます。
おかしないい違いも始まって、
楽しさいっぱいの幼児語世界ですね。
赤ん坊に向かっては幼児語で話さずにはいられないってことを
赤毛のアンも当初の決意を翻して語っていました。


よそのお宅の内実を拝見して楽しくなっちゃっていいのか?と思いますが、
ほほえましいお買いものでしたね。
プラレールワールドは、やがて一部屋貸し切りに・・・?

こうまさん | URL | 2012-01-11(Wed)07:39 [編集]


Re: こうまさん

こうまさん、こんにちは。

確かに、忘れますねえ。
実際、記事にした言葉以外にも、「失われた言葉」が、まだ沢山あったのです。
で、最近になって、あわてて語録を作りはじめた、という訳です。
下の息子も、一歳を数ヶ月過ぎて、何やらいろいろ喋りはじめました。
しばらくは、楽しませてもらえそうです。

プラレールの方は・・・もう拡張は当分ムリですね。
「場所がない!」と、妻にきつくいわれてますので(笑)
中身の充実に、力を入れていこうと思います。踏切とか。

コメントありがとうございました。

静磨 | URL | 2012-01-11(Wed)10:39 [編集]