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乱読乱文多謝 静岡史跡探訪ver.

スーパーカブと、史跡と、ときどき読書感想文

日々の出来事 3

わたくし的な、夏の終わり、秋の訪れ

 すっかり秋めいてきた。ここ数年、なんだか残暑がいつまでも続くなあ、と思っていると、いきなり寒くなって、あわててタンスの奥から冬物を引っ張りだすような、そんな具合で、秋、という季節がどこかへいってしまったのかという感じだったのだが、今年は、秋がきた、と肌で感じることができている。嬉しい。

 私は秋が好きだ。きっと、夏嫌いの裏返し、という部分もあろうかと思われる。私は夏が嫌いだ。その始まりは、多分、小学4年生の終わり頃に、何を思ったか突然地元の軟式の少年野球団に入ったことにある。

 その流れで私は中学でも野球部に入り、才能開花、最後の中体連の大会では、東海大会の3位に入るような強豪チームで、スタンドの応援席というポジションを与えられたのだが、この時代の練習の特徴としては、なんといっても「練習中は水を飲んではいけない」というものがあった。それは小学生のときからそうだったのだが、中学に入ってからは、それがより酷いことになった。

 水を飲むと、カラダが動かなくなるのだ、と誰かがいっていた気がするが、しかし、思えばとんでもない時代だった。夏休み、となると、当時の野球部というものは、とにかく朝から晩まで練習をしていた。朝7時とか8時とかから、お弁当持ちで、夏の長い陽が暮れて暗くなり、ボールが見えなくなるまで練習する。

 それは多分、野球部の不良ども(実際マンガの世界の不良みたいなのが何人もいた)が、夏休み中に街でろくでもないことをしないように、ずっと野球をやらせて体力も時間も奪ってしまおう、という目的も少なからずはあったように思う。それはさておきその練習だが、休憩は3回、午前中1回、お昼、午後1回、これしかない。そして水を飲んでいいのは、このときだけだった。

 炎天下のグラウンド。ここにただ突っ立ているだけでも、30分もすればノドはカラカラになるのに、走ったりバットを振り回したりボールを投げたり監督や先輩に小突かれたりしながら、2時間も3時間も、あるいはそれ以上も、水を飲まずにいるのだ。

 本当に、今思うと、死人が出なかったことが不思議なくらいだ。おかげで根性が鍛えられた、かどうかはわからない。ただ、私の場合は、おかげで夏が大っ嫌いになった、ということは確かだ。暑いということ、そして喉が渇くということに、普通の生理的な拒絶反応以上の、心理的な、憎悪に近いような反発を覚えるのだ。渇きは極限に達し、脳が揺れるような感覚のもと、突然眼の前がまっ黄色になって、全ての音が遠のいていくような、あんな目には二度と遭いたくないものだ。

 (あれはもしかしたら、熱中症かなにかの症状だったのだろうか。「おい、てめえ、なにフラフラしてんだ」という、ものすごくおっかない先輩の怒鳴り声がなかったならば、あるいはそのまま気を失っていたのかもしれないが、先輩のおかげで、私は倒れもせず、練習を続けることができた。さて、私は先輩に感謝すべきなのか、それとも先輩を恨むべきなのだろうか。)

 よって、そんな私にとっての秋の到来とは、つまり大嫌いな夏が去ったことを意味する、とても悦ばしい出来事なのだ。だから自然と、コオロギの声だとか、アキアカネの群れだとか、ウロコグモだとか、ふっと吹き抜ける涼風だとか、そんなものを、私は待ちわびる習慣をもってしまったのだ。私はそれほど物事に敏感なほうではないが、こと「秋の気配」に限っては、ひとよりも感覚鋭く察知するほうだと自負している。まあ、根拠のない自信に過ぎないが。

 暑さ寒さも彼岸まで、とはよくいったもの。今年はとくにその言葉通り、という感じだ。夏から秋への移り変わりの時期。まさに、今このとき、といってよいだろう。日中は、陽が照ると少し汗ばむこともあるが、朝晩はとても涼しい。むっとするような、熱と湿気に満ち満ちた重々しい夏の風などどこへやら、さわやかにかわいた風が吹く 。ああ、なんていい季節なんだろう。これから、秋は本番をむかえる。そして、季節はやがて冬になる。この冬がまた、私は大好きなのだ。つまり季節は、これから私の大好きな時期へとどんどん進んでいく。夏よ、さらばだ。

 暑さ寒さも彼岸まで。秋のお彼岸といえば、彼岸花。全く、時期をぴったりあわせて咲く、律儀な花だ。先日このブログに、その彼岸花の芽の写真などをのせてみたのだが、その芽、何と、写真をとった翌日に、うちの二歳の娘にふんづけられて折れてしまった。幸い、彼岸花というものは群生するもので、後から後から生えてきて、神社の境内を彩ってくれた。その写真が、これ。

彼岸花 群生

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 しかし、この写真をとった数日後、なんと、この神社で10月はじめに執り行われる、何とかいう(あまり有名でない)演歌歌手もやってくる秋祭りの準備がはじまり、テントの支柱らしき鉄パイプなどが運び込まれ、我が彼岸花は見事、その下敷きとなって果ててしまった。

 これは非常に残念だったが、彼岸花はあちらこちらに、その繊細でしかも凛とした花を咲かせてくれている。

彼岸花 日陰

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 白もまた、善し。

 いずかたよりか、キンモクセイの甘い匂いなども、ほのかに漂ってきた。稲の刈り入れなども、始まっているようだ。秋は深まる。



IMG_0249_convert_20111002150442.jpg
 
 おまけ。最近突然トトロ大好きになった娘は、その大好きぶりを大いにアピールしたらしく、見事、ばあちゃんにこれを買わせることに成功した。しかし、なぜ、この大口をあけているヤツにしたのだろうか。歯をむき出しにして、かわいくないだろう。他にも、里芋(?)の葉っぱの傘をさしたヤツとか、ちいさい白いヤツとかもあったらしいのだが。

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コメント


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こんにちは。
いつもながら、引き込まれる文章に、上手いなぁ~と感心しながら読んでおります。

夏の思い出分かります!!
オレもラグビー小僧でしたので、今と昔の水に関する違いは不思議に思っております。

いつごろから、こまめな水分補給を唱えだしたのか、知りたい部分でもあります。

ちなみに、ととろがさしているのは、レンコンの葉っぱと思われます。

銀蔵 | URL | 2011-10-02(Sun)19:21 [編集]


夏の記憶

こんにちは。

ぼくは小学校2年~5年が野球、5年~中学3年がサッカーだったのですが、ホント夏休みは部活の時間が長くなるから、むしろありがた迷惑でしたね。

水も、何であの頃は飲んじゃいけなかったんでしょう? 地獄でしたね。

逆に先輩からの「シゴキ」の日は、ペットボトル1リットルのコーラをむりやり飲まされ、その直後にグラウンドでダッシュ50本(100本だったかもしれない)させられて、はきそうになってました。「練習中の水分はヤバイ」と洗脳されましたね。

とにかく危険な時代でした。今なら絶対に問題になってるでしょうね。

もっとも、ぼくの部は練習は早朝から午前だけだったので、午後はたっぷり遊べて、夏を嫌いにはなりきれませんでした。その点は、静磨さんより恵まれてたかもしれません。

だけど、今は夏より秋が好きです。

千葉も、キンモクセイの香りが漂ってきました。

では。

道下 森 | URL | 2011-10-03(Mon)04:46 [編集]


Re: タイトルなし

銀蔵さん、こんにちは。
コメントありがとうございます。

最近は、よく熱中症で子供が病院に、なんていうニュースもありますが、昔は、ホントにどうなっていたのか、
倒れても病院にいかなかったのか、あるいは入院してもニュースにならなかっただけなのか、それとも、昔の子供は水を飲まなくても大丈夫だったのか、私も頭をひねっております。

トトロの傘は、レンコンでしたか。あぁ、いわれてみれば、何だかレンコンの葉っぱの形だった気がしてきました。少なくとも、絶対サトイモではないですね。
ご助言に感謝いたします。
これで、子供が大きくなってから、「おとうさん、あれ、サトイモじゃないよ、バカじゃないの」とかいわれて、私の権威が失墜することもないでしょう。ありがとうございました。

静磨 | URL | 2011-10-03(Mon)18:05 [編集]


Re: 夏の記憶

道下森さん、こんにちは。
コメントありがとうございます。

水が飲めないのも辛かったですが、先輩のシゴキ、これもまた酷かったですね(笑)
練習の終了後、すぐにでも水が飲みたいのに、そのままひたすら走らされたりもしました。陽はとっくに暮れているんですけど。
無理にコーラを、というのはありませんでしたが、私の同級生には、部室で先輩に無理やり酒を飲まされて、先輩共々停学になった可哀想な奴はいました。
時代の違い、ということでしょう。

千葉も、秋ですか。
秋の千葉といえば、九十九里方面に、一泊ツーリングに行った思い出があります。
静かで、とてもよい土地柄だった覚えがあります。
それでは。

静磨 | URL | 2011-10-03(Mon)18:19 [編集]


はじめまして。

はじめまして。お邪魔させていただいています。
猛暑の中、水を飲まずにフラフラ~、昔のスポ少はそうでしたよね。あの感覚、なつかしい~と、ついコメントさせていただきます。私も室内スポーツでしたが、いつも倒れたい→休みたい、と考えてました。炎天下で一日中はさぞかしきつかったことと思います。最近のスポ少では、こまめに水分補給させていますよね。うらやましい半面、親としては安心でもあったり。その分、我慢とか根性は自分の頃に比べて足りないかもしれないですね。
また、お邪魔させていただくと思いますが、よろしくお願いします。大口のトトロ、可愛いですね。

ゆう | URL | 2011-10-05(Wed)08:14 [編集]


Re: はじめまして。

ゆうさん、はじめまして。
コメントありがとうございます。

やはり、昔の「水飲んじゃいけない」は、全国どこでも通用する「常識」だったみたいですね。
考えてみると、ホントにオソロシイ話です。我々は、なぜあれでダイジョウブだったのでしょう(笑)

大口トトロ、かわいいですか?
あの口、なんと大人の指一本分ぐらいの深さまで続いていて、小さい人形などを食べさせることが出来るんですよ。子供がドキンちゃんを食べさせて遊んでますもん。
それを見ていると、何だか肉食トトロみたいで気味が悪くて(笑)

よかったらまた、お越しくださいませ。
ゆうさんのブログにも、お邪魔させて頂きます。
ありがとうございました。

静磨 | URL | 2011-10-05(Wed)17:30 [編集]


食べちゃうの?

こんにちは。
ドキンちゃんを食べるトトロ、おもしろいっ。
見たくないけど見てみたい。
なんだか別の生き物のようですね。
大口トトロは、めいとさつきを背中に乗せて飛び立つ前に、「がー」って息を思いっきり吸い込むシーンかな、と思ったのですが。
心なしか毛が逆立っているようにも見えて。
迫力があって、好きなシーンのひとつです。

ゆう | URL | 2011-10-07(Fri)09:39 [編集]


Re: 食べちゃうの?

ゆうさん、こんにちは。

たべちゃうんです(笑)

子どもというものは、ホントに思いがけないような遊び方をみつけるものですね。
オモチャを与える側の大人の思いなど、あいつらには関係ないみたいです。
先入観や固定観念がない、ということとは、こんなに面白いものなのかと、毎日見ていても飽きません。

静磨 | URL | 2011-10-08(Sat)06:17 [編集]