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またしてもアンティークチェアを買う


 またしてもアンティークチェアを買う


 そう、またしても、なのである。新年早々、以前ダイニングテーブルや椅子を買ったアンティークショップから、初売りのお知らせのハガキが届いた。現金払いならば三割引、の文言にまんまとつられて出掛けていき、そして、以前からずっと欲しかった椅子を買ってしまった、という訳である。




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 それが、これ。37000円を三割引で買えた。




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 後ろから。1930から40年代くらいの英国製のウィンザーチェアで、素材はエルム材、である。

 ウィンザーチェア、については、以前何度か記事にしているが、改めてその「定義」を、『ウィンザーチェア大全』から引用する。


ウィンザーチェアとは
 17世紀後半頃にイギリスで生まれた木製椅子

 [起源]
 古くからイギリス各地でろくろ職人や農民などによって造られてきた、ヴァナキュラーチェア(その地方特有の椅子)などのカントリーチェア。

 [基本構造]
 尻形の窪みをつけた分厚い木製の座板に、挽き物(主に旋盤加工された部材)の脚や背棒などが直接差し込まれた椅子。
 →背には笠木や背棒などが取り付けられる。
 →肘置きが設置されることもある。
 →補強のために、脚がには貫が施されることが多い。

 [種類]
 コムバックタイプ(櫛型)とボウバックタイプ(弓形)の2種類が基本形。
 →この2つの形を基に、時代や地域によって様々なタイプの椅子へと派生していく。

 (島崎信・山本耕平・西川栄明著 『ウィンザーチェア大全』』)

 
 今回購入したのは、弓形の背枠(バックボウ)からなる背もたれを持った、「ボウバックタイプ」ということになるが、そのなかでも、特徴的なスプラット(背板)の形状から、「ホイールバック」などと呼ばれるものとなる。




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 これが、そのスプラット。その名のとおり「ホイール(車輪)」をモチーフとしたデザインである。『ウィンザーチェア大全』の、このホイールバックの解説の部分を、短いので全文転載してしまおう。


  ホイールバック(wheel-back)

 ホイールバックは、車輪(ホイール wheel)をモチーフとしたスプラットのデザインの一つです。ホイールバックタイプのスプラットを組み込んだ椅子は、18世紀後期から人気を博し、ウィンザーチェアの代表的なデザインとして定着していきます。19世紀初めに蒸気機関車が誕生し、当時のトピックスだったことも人気を押し上げた理由でしょう。正確には、「ホイールバック・スプラットが組み込まれたボウバック・ウィンザーチェア」と表現すべき椅子も、単に「ホイールバック」と呼ばれる場合が多いようです。
 年代が特定できる最古の例では、1780年頃には使用されていたことが確認できます。その後の普及ぶりはすさまじく、1900年代半ば頃までの約150年間に生産されたウィンザーチェアの4分の3は、ホイールバックではないかともいわれています。

 (『ウィンザーチェア大全』 77ページ)


 つまりこの椅子は、ウィンザーチェアのなかでも最も一般的な形、ということになる。実際、購入したお店にも、どの椅子よりもたくさんの在庫があり、そのなかからお気に入りをみつけるのは大変であった。




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 背もたれの後ろ側には、「ブレイシング・スティック(bracing stick)」と呼ばれる補強材が入っていて、これもまたデザイン上の大きなアクセントとなっている。これがあることが、私がこのタイプの椅子を欲しいと思った最大の理由、でもある。カッコイイ。




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 背枠には、装飾のラインが一本彫ってあるが、すり減ってかなり薄くなっている。




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 座板。これが一枚板であるものを選んだ。私のちょっとしたこだわりである。




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 実は、よく見ると座板のふちにもラインが彫ってある。こちらはさらに消えかかっている。




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 脚部。こちらもごく一般的な、H型のストレッチャー(貫)である。




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 以前買った「スクロールバック」と並べてみる。両方とも、上記の定義からはずれることのない「ウィンザーチェア」なのであるが、こうしてみるとかなりの違いがある。この他にも「コムバック」だとか「ラスバック」だとか、いろいろなタイプがある。この多様性もまた、このウィンザーチェアの魅力ではなかろうか。

 その多様なウィンザーチェアのなかで、「最もありふれたかたち」である、この「ホイールバック」を、今回(特価にて)購入した訳であるが、お店でみかけた、やはり同じ「ホイールバック」だが肘掛けのついたアームチェアが今、気になっている。また一生懸命働いて、小銭をこつこつ貯めて買いたいな、なんて思っている。他にも、生活の上であれば便利だな、という家具がたくさんあるなかで、いよいよ家の中を椅子だらけにして、妻に怒られないといいけれど(笑)


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『ウィンザーチェア大全』

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