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乱読乱文多謝 静岡史跡探訪ver.

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旧東海道 浜松市から湖西市 その4

 旧東海道 浜松市から湖西市
 その4・今切の渡し、新居宿





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 明応八(1499)年、大地震に伴う大津波が遠州灘沿岸を襲う。元来淡水湖であり、海とは浜名川でつながっていた浜名湖であったが、この津波でその河口域は水没、湖と海とは繋がってしまい、浜名湖は汽水湖となった。この地形の変化により、浜名川を橋で渡っていた東海道は分断され、船で連絡されることになる。

 それは江戸時代になっても変わらず、この「今切の渡し」によって、舞阪宿と新居宿とは繋げられたが、渡船の業務は新居宿が担った。おかげで新居宿の財政は潤ったが、舞阪宿のほうは常に財政逼迫に悩まされていたようで、何度も渡船業務の部分譲渡をお上に願い出ているが、ついにそれは叶わずに終わった。

 現在は、というと、何本かの立派な橋が架けられており、自動車での東西の往来になんの不自由もない。旧東海道を辿ろうという者も、弁天島を経由して浜名湖を渡る国道1号線を利用して、舞阪宿から新居宿までの一里半、すぐに行くことができる。




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 しかし、当時舞阪から「今切の渡し」を船で渡り、旧東海道31番目の宿場である新居宿に東から入ろうというものは、船を降りてすぐに、この「新居関所」を通過しなければならなかった。




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 ちなみに、これが関所に隣接する新居側の渡船場の復元されたものである。見ての通り、舞阪側と違って周囲に湖がみられないのは、埋め立てによって湖畔が遠のいてしまったせいである。




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 この「新居関所」は、1855年当時のものであり、全国で唯一、現存する関所の建物である。入館料は300円、隣接する資料館も見学できる。




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 内部。こんな役人が寄ってたかって旅人を取り調べた訳だ。




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 裏手にある、「女あらため」。「入り鉄砲に出女」とはよくいわれるが、「出女」に関しては特に箱根関であらため、ここ新居関では、「入り鉄砲」のほうを厳しく調べたらしい。しかしだからといって、こちらでの「女あらため」がいい加減であった訳では無論なく、それは旅する女性達にとっては大きな精神的苦痛だったという。

 その為、この新居関を避けて、浜名湖の北側を迂回する者が少なくなかった。その迂回路、すなわち「本坂街道」と呼ばれていた脇街道を、江戸時代に「姫街道」とも呼ぶようになったのはその為だ、ともいわれる(他説あり)。




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 関所の西側には門がある。




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 門外の高札所。門前は本来「枡形」になっていたようである。




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 関所の門を出た辺り、規模は大きくないが、なかなか雰囲気のある街並。




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 「旅籠屋紀伊国屋」。創業年代は不明だが、元禄十六年より御三家紀州藩の御用宿に指定され、「紀伊国屋」の屋号を許される。江戸後期には紀州藩の七里飛脚の役所もあった。明治以降も、明治七年の大火に焼かれなどしながらも、昭和35年の廃業まで旅館業を営んだ。平成13年に復元され、なかを見学することができる。入館料は200円だが、関所との共通券を買えば割引される。




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 裏口。こちらから出て、裏路地を少し歩くと、




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 「小松楼」がある。小松楼は、大正期から昭和二十年代まで営まれていた、芸者置屋兼小料理屋。国指定有形文化財。内部の見学は無料。




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 特に二階には当時の雰囲気が強く残っている。




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 当時の芸者さんたちの写真。このひと達が、ここで生きていたのだ。




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 こんなものもあった。年代物のヤマハのオルガン。




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 二階からの裏手の景色。往時、こちらには住み込みである芸者達の長屋があったという。

 さて、では新居宿を後にし、次の白須賀宿に向おう。関所の先の突き当たりの交差点を左折、南下する。




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 旧街道らしさの残る道をゆく。続きは、次回。


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