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乱読乱文多謝 静岡史跡探訪ver.

スーパーカブと、史跡と、ときどき読書感想文

カブで史跡めぐり 4


 旧東海道、掛川市、袋井市 
 その1・掛川宿から袋井宿



 昨年の夏に富士川のほとりから始まった、旧東海道をカブ110で辿る早朝お散歩ツーリングであるが、東は箱根宿、西は掛川宿までいったところで、冬になって寒いし日の出が遅くて時間が足りないしで中断していた。しかし春も近づき、早朝の気温もなんとか我慢できるぐらいにはあがってきたし、夜明けもかなり早くなったので、そろそろ再開することにした。

(いや、もう春もたけなわという感じで、私の病的なまでの遅筆のために酷く時間差があるけれども、この記事のネタとなったツーリングに出た時点ではまだ3月の、ようやく桜がちょろっと咲き始めた頃だったので……)

 だが無論、こういう類いのツーリングには、事前の情報収集というものが不可欠である。それをやらないと、重要な史跡のすぐ側を通り過ぎながら、「この辺は特になんにもない」とかいいつつ、他の下らないものの写真を撮って面白がっている、なんていう間の抜けたブログ記事ができあがるということになる(まあ、当ブログは実際そういうことになってますが)。

 去年の最後の「東海道めぐり」は、箱根宿までで終わっているで、その続きというと小田原を目差すのが自然なのだが、私の貧弱な情報収集能力は、まだ神奈川県に手を伸ばす段階には遥かに及ばず、また、箱根はまだ寒い、ということで、またしても方向転換、西に向いて、掛川宿から出発ということにした。

 その朝の日の出の時刻は5時45分ごろ。静岡市の自宅から掛川までは、カブで大体一時間半ぐらいかな、と見当をつけ、出発は4時半と決めて前日夜に目覚ましのタイマーを4時にセット。前回寝坊しているだけにちょっと心配だったが、3時50分、目覚ましがなる前に、強烈な便意のために無事目が覚めた。

 で、ほぼ予定通りの4時40分に出発。この日少々最低気温が下がり気味で、寒い思いをしながらも国道1 号線を西へ、藤枝に入ったところからバイパスを避けて県道381号線を……って、これ、前回高天神城に行ったときと同じルートだ。このスタート地点までの移動区間というのは、作業的な走行になりがちであり、しかも、普段トラック運転手なんかやっているものだから、仕事と同じような気分になりやすく、正直実につまらないのだが、ここは我慢の走行を1時間20分ほど。




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 ちょうど6時頃に、ようやく辿り着いたのがこの「掛川城大手門」。小さく天守がみえる。ここから観る天守閣が最も美しいといわれているらしい。レンズが広角ぎみなので小さく写っているが、実際はもう少し大きくみえます。今回はここからスタート。以前にも来たけれど、その時は雨が降りそうだったこともあり、よく観なかったので、ついでに門のまわりを一周してみる。




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 「大手門番所」。掛川城廃城の際、一度民間に払い下げられ、移築されたが、平成七年の大手門再建を機に、再び移された。大手門の位置は本来の場所ではないらしいが、門と番所の位置関係は、元々と同じらしい。大手門の番所が現存しているのは全国的にも珍しいということで、市の文化財に指定されている由。




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 では、出発。さて、今回は磐田市、即ち旧見附宿辺りまで行きたいな、などと思いつつ、旧東海道、すなわち県道37号線を西、袋井市方向へ向かう。この道、すぐに北方向に曲がっていってしまうのだが、完全に北を向いて、逆川を越えた所の交差点を左折、県道415号線に入ってまた西へ方向転換する。




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 しかしまたすぐ、大池橋という橋で倉真川を渡ったところで左折、今度は県道253号線に入って南に向うのだが、この大池橋、というのが、東海道と、脇街道である秋葉街道との分岐に当たる。この秋葉街道と呼ばれる道は、浜松市天竜区春野町(旧周智郡春野町)にある秋葉神社へと通じる道のことで、ここを起点とする道だけでなく、他にも数本ある。

 江戸時代、都市の発達とともに火事というものの危険性が増したことなどもあり、秋葉信仰がさかんになった。村などの代表者を伊勢参りさせるために、皆で積み立てをする「伊勢講」というのは有名だが、火事という、下手をすれば共同体の建物すべてに被害をおよぼす災害への怖れから、秋葉神社へのお参り費用を皆で出し合う「秋葉講」というものも、各地にあったという(小杉達著、『東海道と脇街道』参照)。その秋葉神社に近いということもあり、この遠州周辺には、秋葉神社や秋葉信仰に関係する史跡が少なくない。ま、これから西へ西へ行くに従い、追々紹介することになるとは思う。




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 「天竜浜名湖線」のガードをくぐると、道はまたぐっと西へ方向を変えていく。そして国道1号線や東名高速道路などもくぐった辺りに、




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 「善光寺」というお寺。その先に続くのが、




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 「原川松並木」。いうまでもなく、徳川の五街道整備の一環として植えられた松並木である。




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 松並木は、善光寺から、この金西寺辺りまで、数百メートル続き、なかなかいい雰囲気だった。原川は「間(あい)の宿」であり、このお寺の門前には茶屋などが並んで賑わっていたとのこと。「間の宿」については、菊川でもうお勉強しました(笑)。宿場と宿場との間にあった、旅人の宿泊は許されていない休憩所みたいな所のことである。

 道はその先で、片側三車線の現国道1号線と合流してしまう。カブではあまり走りたくない道である。我がカブ君は110ccなので、60km/hで走っても法的な問題はないが、その位のスピードになると、いかにもフロントのキャスター角が足りない感じで、車体性能的には実に頼りなくなってくる。まあ、小回りが効くことを最大の武器とするバイクであるから仕方のないことであるが。その小回りの恩恵を、こうして思い切り利用している訳だし。




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 だが有り難いことに、そう長く国一を走る必要はない。百メートル程でこの、掛川と袋井の境界である「同心橋」を渡ると、直ぐに左折して裏道に入ることになるからだ。




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 その裏道に入ってすぐ、橋のたもとにあるのが、これである。これはなんと、常夜灯である。石灯籠みたいな形ばかりではなく、こういうものもあるのだという。しかしここでは、常夜灯よりもその隣にあった公衆便所のほうが重要であった。またしても、急に便意が……。




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 その先にはまた松並木。やはり、「東海道らしさ」があっていいね。道は相変わらずの県道253。




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 その松並木の中程にあるのが、この「富士浅間宮赤鳥居」。鳥居があるからには、神社があるというもの。しかし「富士浅間宮」は800mほど先だとの小さな標識があった。ひとまず東海道を離れ、標識の示す方向、即ち北へ向う。




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 国道1号線を渡り、さらに東名高速もくぐって、ようやく辿り着いた。駐車場がこの先にあり、そちらの方が拝殿にも近いようなので、そちらに。




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 ここからあがる。




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 拝殿。祭神は、いうまでもなく此花咲耶姫命。「人皇五十代桓武天皇の大同二年坂上田村麻呂将軍東夷征伐の破り浅間大神の神力に依り賊を征服され給ひしを以って其の神恩に報い奉らむと冨士の大神を此の地に迎へられ壮大な社殿を営み創祀された云々」の由緒書き有り。




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 最も観るべきは、この本殿。約400年前の桃山時代に建てられてという、檜皮葺きの建物。国の重要文化財に指定されている。実に美しい曲線。




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 駐車場から拝殿が近かったので、あまり大きくない神社なのかと思ったら、その反対側に境内は意外な程に大きく広がっていた。

 では旧東海道へもどり、再び袋井宿を目差そう、というところで、次回へ続く。


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