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乱読乱文多謝 静岡史跡探訪ver.

スーパーカブと、史跡と、ときどき読書感想文

旅のおもいで・ 道具 その1

地図

 お久しぶりの更新となってしましました。何となく、新しい生活のペースをつかみつつある、静磨です。とはいいつつ、なかなか読書感想は書けずにいるので、日々の生活の内から、ひとつ。

 iPadを買っちゃいました。新しい職場での仕事は、トラックの運転手さんなので、地図が必要になったのです。他にも、出先での待ち時間などに、ブログ記事など書くこともできそうだなと、そんなことを思ったこともあります。暇つぶしにネット閲覧なんかもできるし。

 しかしまあ、第一の目的は勿論地図だ。中部、北信越、関東あたりの、仕事で行きそうな所の『マップル』は持っているのだが、やはりより詳細な地図というものは欲しい。なにせ、有名な観光地などではなく、全く知らない街にある会社の倉庫だとか物流センターだとかに、ピンポイントでたどり着けなければならなのだから。 その点において、ネット上の地図にまさるものはない。任意の縮尺でサクッと検索できてしまうのだから。

 本当に、時代の変化というものを感じさせられる。ムカシは、こんなもの無かったもの。ということで、過去の私の旅における「地図事情」について、ちょっと書いてみることにした。(本を読んでいる時間が、相変わらず無いこともあり)。

 どこかへ出掛けるためには、地図はどうしても必要か、というと、勿論そんなことはない。私は例えば日帰りツーリングなどのときには、地図など持っていかないことのほうが多かった。バイクで日帰りできる距離ならば、まあなんとなくどこになんという街があるかわかっているので、道路の案内標識だけで、大概の場所には行くことができた。そしてこういうスタイルのほうが、気分次第で行き先を変えるようなツーリングには向いているともいえるだろう。地図を見てルートを確認する、ということは、同時に行き先とそこに至る道順を固定化する、という意味もあるからだ。

 しかしやはり、明確な目的をもって出発する場合には、行き先が不案内な場所ならば、やはり地図は必要だ。この点を甘く見て、一度酷い目にあったことがある。和歌山県は高野山大学に通う友人の下宿に遊びに行ったときのことだ。高野山は、有名な場所だ。だからいつもの通り、案内標識を辿っていけば何とかなるだろうと、ロクな地図も持たずに出掛けてしまった。二十歳の、関西へなどバイクでは一度もいったことがなかった頃のことだ。

 その結果、奈良の山奥の小さな街の交番に雨のなか駆け込み、「すみません、和歌山県はどっちですか」などどいう訳のわからない道の尋ね方で、おまわりさんを困惑させることとなった。そして最終的には、日没後に高野山を登る道を走るハメになり、霧に視界を奪われて道が分岐した所で急ブレーキ、何とか停止はしたものの、山中ということで路面が傾斜していてバランスを崩し、荷物を積んだバイクの重さをこらえきれずに転倒(いわゆる立ちゴケ)し、自慢の愛車をキズモノにしてしまい、後日、修理代に数万円を費やすこととなった。

 そんな痛い思いをしたため、というばかりでもないが、その翌年、初めての北海道ツーリングに出掛ける際には、きっちり北海道の道路地図を準備していった。昭文社の『マップル』である。バイクツーリングで使用する地図といえば、『ツーリングマップル』が定番であるが、私は、B4版という馬鹿でかいサイズの『マップル』を選んだ。理由はただひとつ、「大きいほうがみやすいから」。

 旅慣れない者のやることは、万事つけてこの有様である。ページが大きければ、確かに、同縮尺の小さな地図よりも、広域を見渡すことができる。しかし、バイクでの旅においては、全ての荷物はとにかくコンパクトであることが第一条件なのである。私の大判地図は、バックには収めにくいし、雨の日にひろげれば面積が大きい分たっぷり雨粒を受けてずぶ濡れになるしで(これは風についても同じことがいえる)、いいことはなかった。まわりでスマートにコンパクトな『ツーリングマップル』(こちらはA5版)をひろげている他のライダーたちが羨ましく、また素人丸出しの大判地図が恥ずかしく、切ない思いをしたものだった。

 ということで、それから数年後の二度目の北海道ツーリングでは、定番の『ツーリングマップル』を持っていった。



ツーリングマップル北海道2012ツーリングマップル北海道2012
(2012/02/17)
昭文社出版編集部

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 これは、目的がバイクツーリングに特化した地図であり、それだけに、大きさといい使い勝手といい、道路の混雑具合や路面状況、キャンプ場やライダーハウスその他のお役立ち情報といい、さすがにこれ以上の地図は私は寡聞にして知らない。バイクツーリングに特化、とはいえ、他の場合には使えないのかといえば勿論そんなことはないので、レンタカーで北海道をドライブ旅行した新婚旅行のときも、私は『ツーリングマップル』を持っていった。そういう場合は、『るるぶ』などを併用すれば、ドライブ旅行に適した情報も得られるのだ。

 地図というものは、使い慣れしたものがやはり一番よい。だから、良い地図を使い込み、使い慣れることが大切だ。私は『ツーリングマップル』が使い慣れてしまったので、特にバイクで走るのならば、これ以外はもう使いたくはない。この地図ならば、例えば見開きの一番右からまっすぐ一番左までならば、どの位の距離で、自分の走りならば何時間で走れるのか、すぐに見当がつく。

 この「距離感」をページ上で掴むことは非常に大切なことで、これがきちんとできないと、一日の旅程を決めることすらままならなくなる。バイクはなんといっても車よりも体力を消耗しやすいので、無理な走行は事故などのトラブルに直結しやすい。そのため、キチンとした予定が地図上で立てられることも、じつはバイクツーリング(特にロングツーリング)に必要なスキルだといえるのである。

 なんてことをいいつつ、今回、冒頭で述べたように、iPadといういわば「最新式」の地図に鞍替えしてしまった訳であるが、やはり、全くそこに不都合がなかった、という具合にはいかなかった、のは確かだ。ただ、これはバイクツーリングではなく仕事のためのものなので、単純に『ツーリングマップル』と比較して評価する訳にはいかないだろう。

 前述のように、ある建物に、正確に確実にたどり着くためには、詳細で、しかも最新の地図が必要なのであり、その上、可能性としては日本全国どこへでも行くことがあり得る訳なので、その全ての地図が必要、というこになると、もうwebに頼るというのは自然な選択であるし、そうなると、スマートフォンより画面が大きく、タッチパネルで操作ができる点でトラックの車内ではノート型パソコンよりも使い勝手がいいタブレット端末は、今のところ最良の選択であったのではないかと思っている。

 ただ、今は持ち運びのできるカーナビなんてものもあり、これを選ぶという選択肢もないことはなかった。しかし職場の先輩によると、カーナビは「トラックが通れる道を案内してくれるとは限らない」とのことで、あまり頼りすぎると危険らしい。そしてiPadには、web閲覧という最強の暇つぶし機能もあるのだ。そう考えると、やはりiPadである。

 と、こんな具合に、俄かにデジタル化した私の地図事情ではあるが、実は、iPadと共に、前述の関東から中部あたりの『マップル』もまた、持ち歩いている。何故なら、紙の地図は、電池切れも故障も絶対に起こらないという、最強のバックアップだからである。私の世代は、大体高校生の頃にレコードからCDへの移行期を迎えた、アナログ時代とデジタル時代をまたがって生きてきた世代であるせいか、どうも、何だか紙の地図がないと安心できないのだ。

 そしてまた、紙の地図にはやはり、独特の良さがある。紙の地図というものは、良い意味では「汚れ」が残るものだ。過去に私が旅の共に使用した「マップル」には、前述のように雨風にさらされた跡だとか、目印を書き込んだものだとか、予定ルートを蛍光マーカーでなぞったものだとかが、そのまま残っている。こうした地図を今眺めることは、下手な文学作品を読むことよりも、感動させられることだ。

 雨の冷たさだとか、森を抜ける道の匂い、両手をしびれさせる愛車のエンンジの振動にいたるまで、それらの「汚れ」に秘められた記憶は、私だけに読み取れる秘密の文字となって、過去から語りかけてくれる。こんな芸当は、日々最新版に更新されてしまうweb上の地図にはできないことだろう。

 だから、もしいつか再び、幸運にも旅に出る機会に恵まれたのならば、やはり紙の『ツーリングマップル』を持っていくことだろう、なんてことを思いながら、日々トラックを走らせる私なのであった。毎日走る国道が、その旅立ちのときに辿るであろう同じ道であることに心を慰めつつ。

 ということで、わたくし、未だ何とか生きております。一応、読書感想も書きつつあるのですよ。それもまた、近々。以上、はじめてiPadで書いた記事でした(笑) それでは、また。


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