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乱読乱文多謝 静岡史跡探訪ver.

スーパーカブと、史跡と、ときどき読書感想文

日々の出来事 15

観音さまと山桜

 先日、静岡市の西部を流れる安倍川にかかる橋を、西岸から東岸へと車で渡るとき、あるべき場所に富士山がみえなかった。

 空は晴れているのに、霞にかくれて富士山がみえなくなると、春だなあ、と感じる。今年は確かに、春の訪れが遅かった。いつまでも、富士山がはっきりとみえていた。富士山が春霞に隠れてはじめて、桜も盛りを迎える。先日は岡部町の桜を紹介させて頂いたが、あれはソメイヨシノであった。今回は、山桜などを堪能したく思う。

 安倍川を渡り、どこへ向っていたのかというと、清水区(旧清水市)の、大内というところだ。そこには私のおばさんが住んでおり、その近所で小さなお祭りがあるとかで、遊びに行くことにしたのだった。

 おばさんの家には、親戚衆が何人か来ていて、一緒に昼ごはんなどを食べたのだが、その後、ちょっと散歩にいこうと、私の両親と、妻、そして我が子(三歳・娘、一歳・息子)とで連れ立って出掛けた。お祭り、というのはまあ、町内会のイベント程度のもので、たいしたこともなさそうだった(失礼)ので、我々はまず、近くの神社に遊びに行った。

 この大内という町は、小高い山の麓の町で、おばさんの家はその町でも一番山に近い辺りにある。よってその山の麓にある神社までは歩いても一分とかからない。神社でお参りをし、そのまま、何となくまた山の方へ歩きはじめた。

 するとみえてくるのが、お墓と、その脇を山へと続く石段である。石段、といっても、山道に石の段々がある、という程度のものだが、この道は、山腹の観音堂に続いているのだ。実は私は幼い頃の一時期、この近所に住んでいたことがあり、その観音堂へはセミ取りなどをしに遊びにいった記憶があった。

 そこで、なんとなく、その山道に段々がついた道に我々は踏み込んで行った。道はすぐにまるきりの山道になることはわかっていたし、妻は一歳児(体重約10㎏)を抱いていたし、私は私で娘(体重約15㎏)を抱いていたので、まあ、行けるところまでいこうか、ということになった。ただ、最近足を悪くした母だけは、そのまま帰ってしまったが。



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 途中、道ばたにこんなものが。

 そろそろ疲れたなあ、という頃に、ふと上を見上げれば、桜の木が。あそこまで行こう、と頑張る。



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 その桜越しに望む、清水、そして静岡の街並。

 そろそろ下ろうか、と思いつつ上をみれば、またしても、木々の茂りの先に桜が。そして観音堂の屋根もみえた。実は、先ほどのお墓の辺りから観音堂までは、15分ぐらいの距離しかないのである。ただ、我々は子供を抱えている。妻は、ダッコ紐を使っているからまだいい。私は三歳児を、腕で抱えているのだ。このところすっかり運動不足のお父さんは、正直なところ、かなりへたばっていた。しかしここまで来たなら、観音堂を子供等にみせてやりたい、と、お父さんはがんばることにした。

 ガクガクする膝で必死に這い上がり、15分の道を30分ぐらいかけて、やっとたどり着いたのが、まず、仁王門であった。



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 仁王門に続く最後の上り道。



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 仁王門。



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 仁王さま。すごいメヂカラ・・・。



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 門を、上から。何と、茅葺きである。じつはこの門、後で調べたら、1516年建立の、重要文化財らしい。ほら、におうさんだよ、と妻の胸元の息子をみれば、もうすっかり夢の中。「とっくに寝てたよ」とは妻の言。



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 そしてやっとたどり着いた観音堂。地元では、「大内のかんのんさん」などと呼ばれているが、鷲峰山霊山寺というのが正しい名前。高野山真言宗のお寺であり、開創は723年、本堂の建立は1756年、だそうだ。これは、かなりの古刹。知らなかった・・・。



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 仁王門から本堂へ続く道。



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 咲き乱れる山桜。白い花と、赤茶色の葉との組み合わせが、とてもいい。



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 本堂からの景色。



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 鐘楼も桜につつまれる。これは明治の建物。



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 本堂の影に。

 やはり山間の緑樹のあいだには、山桜の白い花が似合うなあ、などとぼんやりしていると、娘が「帰る」といいだす。そう、登ったからには下らなければならないのが、山というものだ。そして子供を抱えなどしている場合は特に、下りのほうが足腰に負担がかかるものだ。

 すでにくたくただというのに。ちょっと手伝ってもらおうかと父の方をみれば、嫁にいいカッコしたいらしい父は、「帰りは俺が抱いてってやる」と妻から未だ熟睡中の息子を受け取っている・・・。しかたなく、再び娘を抱き上げ、重い重い足をひきずって下山を開始した私であった。



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 この日より数日間、全身の痛みに苦しんだことはいうまでもない。ちょっとは運動しなきゃなあ・・・。


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